家が傾いていたら欠陥住宅?

家の傾斜を目にすると、多くの人が直ちに欠陥住宅を疑います。しかし、傾斜があるからといってすぐに欠陥住宅と断じることはできません。確かに欠陥住宅である可能性は否定できませんが、その他にも原因が存在する場合があります。
本記事では、家に傾斜が生じるさまざまな原因や欠陥住宅の定義について詳しく説明します。もしご自宅に傾きが見られた場合、どのカテゴリーに該当するのかを正確に理解しましょう。

家が傾いているのは欠陥住宅とは言えない?

家の傾斜を目撃しても、それが直ちに欠陥住宅であると断定することは適切ではありません。実際には、欠陥住宅以外の理由で家が傾く場合もあります。そこで、家が傾くおそれがあるさまざまな原因と、欠陥住宅の具体的な定義について解説します。

欠陥住宅

家の傾斜は、欠陥住宅の兆候のおそれの1つであるともいえます。建築時に柱や梁に傾きがあった場合、それが時間の経過と共に顕著になれば欠陥住宅と判断されます。手抜き工事や不十分な施工が原因で傾斜が生じた場合、新築住宅は10年、中古住宅は少なくとも2年間の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求可能です。
ただし、そのためには不備を証明する必要があります。設計図や見積書など、証拠となり得る資料を保管しておくことが重要です。また、施工会社が倒産している場合には、責任の所在を確認しておきましょう。

経年劣化

どの建物も、経年劣化は避けられません。傾斜が見られる場合でも、例えば、新築時には問題がなかったものが、時間が経過するにつれて徐々に傾いてきた場合、それは欠陥住宅ではなく経年劣化の範疇に入ります。
特に、1階を広大なビルトインガレージにした結果、壁の支えが少なくなり傾斜が生じた場合などは、経年劣化と考えられるでしょう。したがって、注文住宅を建てる際には、長期にわたって安定した状態を保つ設計を心がけるべきといえます。

地盤沈下

建物自体の問題ではなく、地盤の問題である場合もあります。地盤沈下が原因で、地面が沈んだ結果、建物が傾いて見えるケースがあるためです。地盤自体が斜めになるため、建物が真っ直ぐに建っていても見た目には傾斜しているように映ります。
特に軟弱地盤に建てられた住宅では地盤沈下が起こりやすいため、建築前に地盤改良工事を実施することが一般的です。地盤沈下はさまざまな形で発生するため、早期の対策が必要です。

傾きが見られるならまずは原因の調査から!

家の傾斜が必ずしも欠陥住宅を意味するわけではないことを理解していただけたかと思います。傾斜が見られるのは好ましい状況ではありませんが、全てが欠陥住宅に該当するわけではありません。
そのため、一般的な「ビー玉が転がる」テストだけに頼ることなく、住宅診断(ホームインスペクション)を行い、傾斜の正確な原因を突き止めることが大切です。問題がある場合は、たとえ欠陥住宅でなくとも、放置せずに適切な対応を行うために、メーカーや工務店に連絡しましょう。
また、そういった不具合がある際にアフターフォローを受けるために、そういったサービスが用意されているかどうかを、家を建てる前に確認することも大切です。