欠陥住宅の理由は多々ありますが、太陽光パネルが原因で欠陥住宅となっているケースもあります。このページでは、太陽光パネルではどのような欠陥ケースがあるのか、欠陥住宅であることが発覚した場合はどうしたらいいのかという対処法などを具体的に紹介します。
太陽光パネルでよくあるトラブルとして挙げられるのが、まずは雨漏りです。金具や横桟には防水のコーキング処理が必須ですが、設置が不適切な場合、横桟から雨漏りになることがあります。雨漏りの修理では、設置した太陽光パネルをすべて外す必要があり、補修後に再度設置することから経済的な負担が大きくなる傾向があります。
他にも太陽光パネルを設置する際の金具の強度不足やケーブル等の配置ミスも多々見受けられます。これらの施工ミスでは、発電量の不足だけではなく、火災や感電リスクが高まります。他には配線ミスによって太陽光パネルが正常に稼働しないケースもあります。
また、初歩的なミスとして太陽光パネルの設置場所そのものを間違えているケースもあります。業者のレベルが低い場合に起こりやすく、業者選定を誤らなければほぼ大丈夫でしょう。
他にも、太陽光パネルそのものは正常ではあっても、設置位置が悪いために周辺に傷をつけてしまうなど、いろいろな施工ミスパターンがあります。ミスの種類によっては正常に動作しないだけではなく、場合によっては家そのものに損害を及ぼすものもありますので、放置するのは厳禁です。
太陽光パネルの施工ミスが発覚した場合の対処法・流れを紹介します。
太陽光パネルの施工ミスは、放置していても改善されることはありませんので、早い時点で自ら動き何らかの対処を取る必要があります。太陽光パネルを正しく稼働させるのはもちろんですが、責任の所在を明らかにするためにも正しい対処法を覚えておきましょう。
トラブルが発生している太陽光パネルの現場を画像で残しておきましょう。見積書や図面、契約書をあわせて用意するのも大切です。
ここで重要となるポイントは「契約と異なる」ことを証明することです。どのような契約だったのか、現状はどうなっているのか、乖離している点が証拠となります。
そのために、現状だけではなく本来の状況を示す契約書・見積・図面の提示が重要です。これらが見つけられない場合、現状が「おかしい」とは思っても「契約と違う」ことを証明できません。
状況を見て、設置・施工業者と連絡を取り、協議・交渉を進めます。まず、施工ミスがあることを通知し、対応を協議する場を設けましょう。
現実的な選択肢としては、設置業者に補修を依頼するか、他の業者に修理を行ってもらい、代金を設置業者に請求または損害賠償を要求するなどが挙げられます。
ただし、業者の対応に納得いかない場合には弁護士や建築士に相談するなど、第三者の力を借りることが大切です。特に太陽光発電訴訟に詳しい弁護士の存在は頼れますが、得意としている弁護士を探すのは一苦労かもしれません。まずは無料相談を利用してみるのもおすすめです。
交渉で解決できなかった場合、裁判所での調停手続きに移行します。裁判官、建築の専門家による調停委員を交えて双方の主張を踏まえた話し合いが進められますが、ここでも話し合いがまとまらなかった場合は訴訟に発展します。
訴訟の場合、当事者間の話し合いではなく裁判官の判断を仰ぐことになり、調停よりも厳格・正確な立証活動が求められます。専門的な法知識が必要になることから、弁護士のサポートが不可欠です。
太陽光パネルによって欠陥住宅となってしまった場合、まずは現状と本来の施工されるはずだった状況の差を示す必要があります。前者は画像を撮影するだけで良いのですが、後者は契約書や図面・見積を用意する必要があります。これらを用意できなければ欠陥住宅であることの証明が難しくなりますので、家屋に関する書類は確実に保管しておきましょう。
また、話し合いでそれぞれが納得しなかった場合には、訴訟・裁判に発展する可能性も出てきます。この場合、個人の対応では難しいので詳しい弁護士に頼るとよいでしょう。