地球にやさしい省エネ住宅の魅力

経済産業省の資源エネルギー庁によると、日本の家庭のエネルギー消費において冷暖房が約30%※を占めていると言います。その点、外気への影響の少ない省エネ性能の高い住宅なら、この冷暖房のエネルギー消費を抑えることができ、快適な空間&光熱費の削減が期待できるでしょう。

これからの家づくりは、建てた後のことも考えて家庭でできる省エネを心がけたいものです。そこでここでは、省エネ性能の高い住宅とはどのような家のことを指すのか、メリットとデメリットをふまえて解説していきます。

※参照元:経済産業省資源エネルギー庁 公式HP
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/
saving/general/housing/

省エネ住宅とはどんな家?

どのような家が省エネ住宅に該当するかは、国が「省エネルギー基準」として定めた指標が存在します。現在の基準は平成28年に改正されたもので、以下の2点から見るのが一般的です。

外皮性能

まず、外皮性能。これは窓や外壁などを通してどれだけ熱を消費しにくいかを、「断熱」と「日射」という観点から確認するものです。断熱は建物の内側と外側の熱の出入りがいかに少ないか、日射は外からの日差しによる室温の上昇がどれほどか、によって評価されます。

  • 断熱性能:外皮平均熱還流率(UA値)
  • 日射遮蔽性能:冷暖房期の平均日射熱取得率(ηAC値)

断熱と日射はそれぞれ上記のような値で測ることができ、いずれも数字が小さければ小さいほど省エネ性能が高い、という意味です。ただし、地域によっても特性が異なるため、基本的には全国を8つのエリアに分けて設けられた基準値を目安とします。

一次エネルギー消費量

これは換気システムや冷暖房、照明、給湯といったものを「一次エネルギー」としてひとまとめにし、その消費量を測るものです。太陽光発電等、エネルギーを活用できる装備を導入した場合には、その消費量から差し引くことができます。

参照元:国土交通省 公式HP(PDF)「なるほど省エネ住宅」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/naruhodosyouenejuutaku.pdf

省エネ住宅のメリット

省エネ住宅には、たくさんのメリットが存在します。一体どのような魅力があるのか、詳しく見てみましょう。

光熱費を削減できる

省エネ住宅の大きなメリットのひとつが「経済的」という点。太陽光発電や蓄電池をもとに自然エネルギーを活用したり、光を取り入れやすい設計にしたり、気密性や断熱性を高めてエアコン効率を上げたりすれば、光熱費を削減できる可能性が高いのです。住み続けるほどオトク感がアップするので、家計にやさしい住まいが気になる方におすすめと言えるでしょう。

寒暖差が小さく、遮音性や耐久性が高い

省エネ住宅は高気密・高断熱で寒暖差が少ないのも特徴。高性能の建材は一般的に遮音性も高いため、ストレスなく健康な暮らしが期待できます。結露を防止することから、家自体の耐久性がアップする面も。

減税や補助金などが設けられている

省エネ住宅は昨今国や自治体も積極的に普及を呼びかけているため、現在は補助金などの優遇措置も用意されています。各自治体が実施しているものに関しては内容もそれぞれなので、まずはお住まいの地域で行われていないか確認してみてください。

家の価値が上がる

これから更に一般化していくことが予想される省エネ住宅。ZEH対応をはじめ、環境や身体にやさしい仕様の家は財産としての価値も高まると考えられます。

押さえておきたい注意点

このように、性能面でも経済的な面でも様々なメリットが存在する省エネ住宅。しかし、いっぽうで気になる注意点も。検討している方は、念のため押さえておきましょう。

初期費用が上がりやすい

省エネ住宅は高性能な建材や画期的なシステムが搭載されるため、スタンダードな注文住宅よりは初期費用が上がりやすい傾向にあります。ただし、前述した通り家計にやさしい住まいなので、長い目で見れば結果的にオトクになる可能性も高いでしょう。

施工に対応できる業者が限られる

省エネ住宅には細かい規定や基準値が定められていることから、建てるには専門的な知識や技術が必要となります。よって希望される場合は、省エネ住宅に対応している業者を探さなければなりません。その分、中には補助金や自治体による支援のことまで相談できる頼もしい業者も多いですから、信頼できるパートナーと出逢えると良いですね。

省エネ住宅にするならいつがいいのか?

費用的な面を考えれば新築時に省エネ住宅にする方が圧倒的におすすめ!

「省エネ性能って、リフォームが必要になった時に後から付けるのはダメなの?」と思う方もいるかもしれません。確かに太陽光発電をはじめとする省エネシステムは、既に建てられた家にも搭載することが可能です。

しかし、やはり費用的な面を考えれば新築時に省エネ住宅にする方が圧倒的におすすめ!なぜかというと、省エネ基準に適合させるためのリフォームは、新築時にプラスされる費用よりも高くなると言われているからです。

とくに躯体の断熱改修や窓の断熱改修は基礎の部分にも関わってきますから、大がかりな工事になるのは納得できますよね。今省エネ住宅が気になっているのであれば、予算と照らし合わせつつできる限り新築時に叶えることを検討してみてはいかがでしょうか。工務店やハウスメーカーでは、住宅ローンをふまえた資金計画にも親身に対応してもらえますよ。

それでは省エネ住宅を建てる上で参考になる施工事例をみていきましょう。